「旧加古川図書館」はどうなるのかな?

「旧加古川図書館」はどうなるのかな?

 

「旧加古川図書館」は、2021年6月23日(水)に老朽化に伴い閉館。現在は、2021年10月1日に加古川駅南のカピル21ビル6階に移転しています。

 

 

閉館した旧兵庫県加古川市立加古川図書館は、作家の三島由紀夫が徴兵検査を受けた場所として知られる歴史的な建物です。

閉館前から、地域住民による保存を呼び掛ける声があり、加古川市は保存できるかどうかについての検討を進めていました。

 

 

「旧加古川図書館」の場所は地図ではこちら

住所は 加古川市加古川町木村226−1です。

 

 

2024年7月現在の図書館の様子を撮影してきました。

 

正面玄関(東側)

 

 

天気も快晴で撮影日和。

 

 

植栽などは綺麗にされていました。建物も閉館してから3年がたったとは思えないくらい綺麗でした。

 

 

図書館人気のステンドグラスまど。

 

 

 

 

図書館南側道路。

 

 

南東側入口。

 

 

 

南側正面。屋根付近の丸窓、アーチ形の窓がかわいい。

 

 

南側、西から東向きに撮影。駐輪場。

 

 

 

 

南西の入口。

 

 

西側。建物裏手。

 

 

裏口には移転のお知らせのチラシが貼られてあります。

関係者以外は立入禁止。

 

 

窓からは本棚がみえます。

 

 

北側へ。

 

 

ところどころ表面が剥がれ落ちています。

 

 

 

屋根には苔が生え、草も茂っています。

 

 

北側。東から西向きに撮影。公園の緑が窓に映りこみ綺麗です。

 

 

 

公園側から南向きに撮影。旧加古川図書館と公園の風景がとても素敵に映ります。

 

 

 

 

保存に向けての活動いろいろ

 

AIJ 日本建築学会 近畿支部からも加古川市立加古川図書館の保存活用に関する要望書が提出されています。

 

記憶に残そう!景観形成重要建造物『旧加古川図書館』~デジタル化保存~を目的としたプロジェクトが実施!クラウドファンディングが令和4年2月14日(月)公開されます!

 

加古川市総合文化センター「兵庫県 旧加古川図書館 保存活用シンポジウム開催」2021年11月23日(火・祝)開催!参加者募集中!

 

加古川市の存廃に向けての発表

 

旧加古川図書館の構造体調査の結果が発表されています。

 

2023年9月7日 旧加古川図書館の今後のあり方の検討手順を決定しました|加古川市公式サイト

 

2024年2月29日 旧加古川図書館(隣接公園の利用を含む)について、民間事業者に対して、利用の可能性、具体的な提案や利用の条件などを伺うための個別対話によるサウンディング調査の結果を報告。

 

※サウンディング調査とは
サウンディング調査(対話型市場調査)とは、市有地などの活用方法について、公募により民間事業者から広く意見や提案を求め、事業への有用な意見やアイデアを収集することを目的とした、民間事業者と市との直接の意見交換による調査です。

 

結果概要

(1)本施設における利用の動機、利用内容

〔利用の動機〕

・歴史的建造物を残したい
・市民の思い入れのある旧加古川図書館を残すことに価値がある
・人の集う場としてよみがえらせたい

〔利用内容〕

・多目的室、レンタルオフィスとして利用
・レストラン、オフィス、ギャラリー、まちのフロント機能等の複合施設
・食育に資する多世代の交流できる市民参加型施設
・市民が集い、ウェルネスに資する温浴施設
・5年程度ごとに施設内容が変化する施設
・芸術文化拠点

(2)本施設及び周辺における土地・建物の利用形態(改修・転用等)

・耐震改修工事、外壁改修工事、設備改修工事が必要
・外観はなるべく活かしたい
・建設当時の内部空間をできるだけ再現したい
・内装工事は自団体で実施
・内装工事における県産材の使用

(3)想定する施設の利用者層、年間利用日数、事業形態(賃借・購入等)

〔利用対象〕
・徒歩、自転車、公共交通の利用圏を中心とした利用者
・地域住民を中心に、子どもたちと高齢者の交流の場
・最終的には他府県からの利用を目指す
・芸術家、芸術愛好家

〔事業形態〕
・賃借による利用、または購入による利用
・特定事業者が購入して所有することは抵抗がある
・テナントへ転賃借を想定
・指定管理者制度による運営
・独立採算による事業実施はハードルが高い
・DBO方式(市が設計・施工・運営を合わせて発注)を想定

(4)金剛寺浦公園等の周辺まで含めた利用・連携

・イベント、マルシェ会場などに利用
・ウッドデッキを設置し旧加古川図書館と一体的に運用
・小学校や地域と連携した菜園としての利用
・公園全体を駐車場にするのではなくそのまま利用
・公園の一部を駐車場として利用
・道路向かいの倉庫用地を臨時駐車場として利用

(5)本施設を利用するために求める条件

・耐震改修費用はクラウドファンディングなどの支援を想定
・建物の完全改修は行政で実施のうえ、運営のみを想定
・耐震補強に加え、定期的な維持補修は行政による実施を想定
・都市計画上の制限、公園における建築行為等の協議が必要
・駐車場、駐輪場利用について行政によるルール化が必要

(6)本施設に類似する事業の実績概要

・歴史的建造物の再生利用の運営実績
・老朽化した公共施設等を転用した施設の運営実績
・官民連携事業への参画実績

(7)その他本施設利用に係る提案

・公募がなされる場合に条件が決まりすぎていると応募者が限られる

※DBO方式とは
DBO方式とは、PFI(地方公共団体が民間事業者へお金を支払う形態をサービス購入型)に類似した事業方式の一つで、公共が資金調達を負担し、設計・建設、運営を民間に委託する方式のことです。 民間の提供するサービスに応じて公共が料金を支払います。 民間が資金調達を行うのに比べ、資金調達コストが低いため、コスト縮減率≒VFMで有利になりやすいことが特徴です。

 

 

 

現在はここ

 

加古川市の「旧加古川図書館」に関する今後の予定

 

「旧加古川図書館」の利用の可能性、具体的な提案や利用の条件を参考に、今後の旧加古川図書館のあり方について、引き続き検討する

 

※なお今後、公募を実施する場合は、今回実施されたサウンディング結果の全てを公募条件等に反映するものではないそうです。

 

まとめ

 

旧加古川図書館の存続、廃止についての具体的なことは、今の情報を見る限り決まっていないようです。

 

民間の事業者への公募が実施されたとしても、『日岡山公園再整備「管理運営事業者」の公募ゼロ』のような可能性もあります。

 

今後の公共施設は、箱(施設)だけが残って使わないのに維持費だけがかかり続ける事態を回避していかなければならない、そんな岐路にたたされていくような感じがします。

 

旧加古川図書館、そして日岡山公園の今後の動きに注目していきたいとですね。